ものが二つに見える、ぶれて見える現象は、日常生活に支障をきたすことがあります。
この症状は、斜視や脳の病気で目の動きが悪い場合、眼鏡が合っていない場合など、様々な原因で起こります。
下記のような症状がみられたときは、早めに受診するようにしましょう。
今日、車を運転していたら、センターラインが二本に見えてとても怖かったよ。
カレンダーの文字も二重に見えるんだ。
それは怖いね。
運転中だなんて、事故にならなくて良かったね。
ほんとだよ。
治るまで運転はやめようと思うんだけど、元々乱視だから、気にしなくていいかなあ。
そうなの?どうして?本当に乱視のせいなの?
うん。
ほら、右眼でみると…あれ?一つに見える。おかしいな。
左眼でみると…あれ?こっちも一つに見える。どうして?
右眼も左眼も問題ないのに、両眼でみたら二重に見えるってこと?
うん。
そうみたい…乱視にしてはおかしいよね?病院にいかないと
ものが二つに見えたらまずすること
片眼ずつ見え方を確認してみましょう。
片方の眼でもぶれて見えますか?
それとも、片方ずつならば問題なく見えるのに両眼で見たらぶれて見えるのでしょうか。
普段は両眼で物を見ているので、片眼ずつ手で隠して確認することが大切です。
片眼ずつでもぶれて見える場合を単眼複視、両眼で見たときのみ二つにぶれて見えるのを複視(または両眼複視)と言います。
急に複視が起きた場合、急ぎの病気のことがあります。早めにご相談ください。
単眼複視の場合
眼鏡が合っていない場合や乱視のことが多くあります。
また、白内障に伴う場合もあり、その場合は3つに見えることもあります。
原因がはっきりしないものもあります。
(両眼)複視の場合
右眼と左眼で見ている位置が異なるためにずれて見えます。
片眼ずつ閉じてみると物が動いて見えるのは、左右の眼で見ている場所が異なるためですが、脳の機能のおかげで一つに見えるように修正されます。
しかし、脳で修正できる幅を超えてずれている場合にはものが二つに見えます。
(両眼)複視になる病気
目の位置がずれて、両眼で物が見られなくなると、物が二重に見えます。
脳や目を動かす筋肉の異常のことがあるので、早めに受診しましょう。
また、この状態を「斜視」と言います。
斜視は大きく分けて二種類あります。
一つは、目を動かす機能に問題がない「共同性斜視」と、もう一つは、目を動かす機能に異常のある「麻痺性斜視」です。
共同性斜視は子どもの頃からある場合が多いですが、子どもの頃には気づかれず、大人になってから症状が出る場合もあります。
麻痺性斜視は目の筋肉の異常や、筋肉を動かす神経の異常、眼球の動きそのものが物理的に妨げられる場合、などがあります。
治療
単眼複視(片眼でみてぶれて見える)の場合
眼鏡やコンタクトレンズで矯正できることも多くあります。
白内障や円錐角膜など、病気が原因となっている場合は矯正しきれないこともあります。
(両眼)複視の場合
原因となっている病気の治療を先に行います。
目の位置のずれ幅が比較的軽く、横方向または縦方向のずれであれば、まずプリズム眼鏡処方を試します。
回旋といって、眼球が傾いている場合は、プリズム眼鏡での矯正が難しいことがあります。
ずれ幅が大きい場合は斜視の手術適応になることがあります。
しかし、最終的には複視を自覚しやすいか否かは、脳での情報処理の機能にかかっています。
眼鏡を合わせても手術をしても治らないものもあり、片眼でものを見ることを余儀なくされることもあります。