まぶたの腫れは、見た目だけでなく日常生活にも不便をきたす症状です。
アレルギー、疲労、感染症などが原因となります。
このコラムでは、まぶたの腫れの根本に迫り、解説してまいります。
あれ、今日は寝不足?
そんなことないよ。どうして?
まぶたが腫れている気がするんだけど。
ものもらいかなって思って、ドラッグストアでものもらいの薬を買ってきたんだけど、全然治らないんだ。
まぶたが腫れるのはものもらいだけじゃないのよ。
たくさん原因があるって知ってる?
そうなの?じゃあ、僕もものもらいじゃないのかなあ。
原因
まぶたの腫れはさまざまな原因で起こります。
具体的には下記のようなものがきっかけになります。
- 細菌やウイルス感染
- 脂が出る腺の詰まりや炎症
- アレルギー反応
- 腫瘍
- 眼球の奥の炎症
- 甲状腺など全身の病気
また、厳密には瞼の腫れでなくても、瞼が下がった状態(眼瞼下垂)を腫れているように感じたり、目の周りの脂肪(眼窩脂肪)が加齢変化で出てきたり、または全身の病気で瞼のむくみが出ている場合もあります。
考えられる病気
アレルギー性結膜炎
かゆみ、涙、めやになどを伴うことが多いです。
言わずと知れた花粉症の季節だけでなく、一年中症状がある場合もあります。
主に点眼で治療をします。
コンタクトレンズ装用でアレルギー性結膜炎を起こしている時にも瞼が腫れることがあります。
麦粒腫
まつ毛の根元やマイボーム腺と呼ばれる脂の出る腺に細菌が感染して起こるのが麦粒腫(ばくりゅうしゅ)です。
麦粒腫はまぶたが赤く腫れ、痛みが出ることが多いです。
霰粒腫
マイボーム腺の出口が詰まることで炎症、しこりができるのが霰粒腫(さんりゅうしゅ)です。
霰粒腫は腫れの他、目を動かすとゴロゴロした異物感を感じるのが特徴です。
痛みは出ない場合もあります。
化膿性霰粒腫といって、細菌感染が同時に起こる場合もあります。
急性涙のう炎
涙が流れる小さな袋状の器官である「涙のう」に炎症が起きるのが涙のう炎です。
下瞼の鼻側が腫れるのが特徴です。
痛みや腫れ、赤みなどの症状が現れます。
眼瞼腫瘍
まぶたにできる腫瘍です。
霰粒腫と勘違いされやすく、見分けも困難な疾患のため、特に高齢者では注意が必要です。
甲状腺眼症
バセドウ病など甲状腺の病気がある人に多いですが、目の症状だけが出てくることもあり、必ずしももともと甲状腺の病気がある人がかかるとは限りません。
瞼が腫れたり、眼瞼後退といって上眼瞼が引きあがり、黒目の上の白目が見える状態になったり、下眼瞼が下がって三白眼になることもあります。
目を動かす筋肉が腫れると、物が二重に見えることもあります。